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学長推薦図書 その5

A. A. Milne 著
「Christopher Robin and Pooh Come to an Enchanted Place」
2000年 Egmont Children’s Books Limited 発行
 
 Winnie-the-Poohこと、熊のプーさんシリーズの完結編。こども向けの本だが、大人になってももちつづけたいsomethingあるいは「Nothing」を教える。
 成長しつつあるChristopher Robinが、森の仲間たちと別れるときが来た。ロバのEeyoreがつくった訣別の詩に、仲間たちがそれぞれsignし、そろってRobinに届ける。詩はつぎのようにはじまる:

Christopher Robin is going.
At least I think he is.
Where
Nobody knows.
But he is going―

Robinが読んでいる間、ひとりふたり/一匹二匹(?)/一頭二頭(?)と姿を消し、Poohだけが残る。RobinとPoohは、森のてっぺんにあるan Enchanted Place(魔法の場所)に行く。

Robin: Pooh, promise you won’t forget about me, ever. Not
       even when I’m a hundred. 
Pooh: How old shall I be then? 
Robin: Ninety-nine.
Pooh nodded.

そして、ふたりは立ち去るのだが、Milneの結語と、つづくErnest H. Shepardの絵は、忘れがたい余韻を残す。



 
 
 Further reading: 冲方(うぶかた)丁(とう)著
        「天地明察」
                  2009年11月 角川書店発行

 
 なぜ本書がRobin and Poohのカウンターパートとなるのか、意外に思う人は多いだろう。書名が象徴するように、和算と星と暦、そして囲碁が本書の主なテーマであり、おそらく、これらに趣味をもつ人にはたまらない名作である。が、本書には隠れたもう一つの魅力がある。さりげなく描かれている、夫婦というものの妙が、それだ。Robin and Poohという友情の例を挙げたので、暦学者春海と妻えんの物語も加えて、One pairとしたい。夫婦は、同日に没する。二人の生き様と終焉は、やがて皆さんが伴侶を選ぶときの参考になるかもしれない。